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奄美大島から那覇へは飛行機で渡った。奄美大島はそれなりに大きな島なので、那覇行きの飛行機もそれなりに大きいだろうと思っていたら大間違いだった。双発のプロペラ機で定員50人ほどの小さな飛行機だ。私のような飛行機嫌いにはかなり辛い状況だが、眼下に見える海の綺麗さに怖さを忘れていた。 |
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| その足で、嘉手川学さんが待つ栄町へ向かった。別の番組の打合せのため「おでん東大」待ち合わせていたのだ。しかし、到着すると学さんは外にいる。「おでん東大」はまだ開店時間前だったのだ。仕方なく、学さんが行きつけという焼き鳥「ちん」に入った。打合せもそこそこに、早速オリオンビールと焼き鳥を注文。手羽先、かわ、ハツ、ばら肉、トマトのベーコン巻き、と矢継ぎ早に頼んだがどれも美味しい。5人ぐらいしか入れない小さな店だが、なかなかのものだ。 私は、居酒屋紀行のロケハンも兼ねているので、そろそろ次の店に移動したい。すると、学さんもそれを感じたのか、ご主人に「最近どんな店に行ってる?」と聞いてくれた。すると、「ヤギの旨い店ならすぐそこの『まるまん』ですね」と、予想もしない答えだ。私も、学さんも仕事?で飲み歩いているので、かなりの店は知っているはずなのだが、初耳の店だ。これは行くしかない。すぐ店を出て、向かった。 |
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| 「まるまん」はすぐに見つかった。古い店で、お世辞にも綺麗とは言えない。店内も短いカウンターと小上がりが一つ。ねーねーが一人でやっているようだ。そして驚くのは、メニューがやぎ刺しとやぎ汁(ひーじゃー汁)だけなのだ。泡盛の田とやぎ刺しを二人前頼んだ。この店は相当古く、40年ぐらいは経つそうだ。 そんなことをねーねーと話しながら待つことしばし。ピンクの綺麗な刺身が現れた。臭みは一切無いすばらしい刺身だ。学さんもこんなに美味しい刺身は初めてかもしれないと驚いている。私なぞ美味しくて声も出ない。二人でしゃぶりついていると、「美味しいでしょ? 有名人もよく来るのよ」と自慢そうだ。ここは一つ、取材の打診をしてみようかと思ったら、先に学さんが、「何か雑誌に出たことある?」と、先に声を掛けた。仕事柄と言おうか、体に染み付いた癖だ。こちらの期待をよそに、「取材は一切お断り。こんな狭い店だから、常連のお客さんに迷惑になるでしょう」と一言で、切り捨てられた。残念。まあ、仕方が無い。知られざる名店は、紹介しないで残しておいたほうが良いのかも知れない。(ここで、書いてしまっては、申し訳ないのだが、あまりにも美味しいやぎだったので、書かせていただきました。もしこれを読んで行かれる方がいらっしゃいましたら、くれぐれもお一人かお二人で、静かに楽しんでいらしてください) |
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学さんと別れ、以前取材した「小桜」へ向かった。まだやぎの旨さが、舌に残っている。「小桜」の前に立ってやっと気が付いたのだが、やぎと言えば「さかえ」があるじゃないか。そう、「小桜」の隣にやぎの有名店「さかえ」があるのだ。なんで、今まで気が付かなかったのだろう。今回は「さかえ」にお願いしようと、入る前から決めていた。 |
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| 豆腐とやぎ。今回は食にこだわった回になりそうだ。しかし、もう一軒バーも紹介したい。私の行きつけのバー「サミーズバー」か「ステア」だ。二店ともちょい悪オヤジ風のマスターがシェイカーを振っている。そして、お二人は親友で、お互いの店を行き来しているらしい。まず、松山の「ステア」に向かった。 蔦(?)のからまるドアを開けると、ドーム状の天井が印象的だ。カウンターの一番手前、ここがマスターの定位置だ。その前に座りジントニックをお願いした。カクテルの作り方はちょっと荒っぽいが、手馴れた作りだ。美味しい。ここのマスターは人望が厚く、この店から巣立ったバーテンダーは多い。コザでも二店ほどめぐり合った。そして、前回お邪魔したときカウンターの中にいた女性も、つい最近巣立ったようだ。もう一杯、ギムレットをいただき、ゆっくりとその切れ味を楽しんだ。 さて、ここと「サミーズバー」どちらにお願いしたものか。悩む。何年も前、この「ステア」を紹介いただいたのはサミーさんだし。と、何気なくサミーさんの話をマスターに聞くと、「サミーの息子イッセイが今、那覇でバーテンダーやっているよ」と予想だにしない答え。なんでも、北谷の店は週末だけの営業にして、平日は那覇の「サミーズバー」にいるらしい。それは驚いた。早速行かなくては。 |
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| 取材交渉もせずに、「サミーズバー」へ向かった。泊りのはずれで、とてもにぎやかとはいえないところに「サミーズバー」はある。以前、那覇でやっていて、北谷に移り、そこも息子に任せて、再び那覇に戻ったサミーさんは、アロハでカウンターに立つ。いかにも南国のバーといったインテリアで、沖縄らしい。店内は、かなりの数のお客さんで埋め尽くされ、気持ちの良い騒々しさで充満している。カウンターにはサミーさんと息子のイッセイが二人で入っていた。二人が並んでいるのを見たのは何年ぶりだろう。イッセイは、サミーさんのアロハスタイルとは対照的にボウタイをきちんと締めている。そして、ちょい悪オヤジのサミーさんとは反対に丁寧な仕事でカクテルを作る。イッセイのギムレットは美味しかった。(サミーさんのカクテルが美味しくないと言うことではありませんので、誤解のなきよう(笑)) 混雑した店内で、あまり話は出来なかったが、どうも、イッセイはもう一度カクテルを勉強したいと、那覇のある店に入ったのだが、すぐに辞めて、サミーズバーを手伝っているらしい。いつまで手伝うのかは分からないが、ほほえましいではないか。親子でカウンターに立つなんて。うらやましい限りだ。もう少し話をしたかったが、もう遅い。取材のお願いは電話ですることとし、店を後にした。 帰り道、バーはどちらにしようか迷ったが、結局「ステア」にお願いした。サミーさんは取材を快諾してくれなさそうだし、イッセイがいつまで店にいるか分からない。落ち着いたらまた、北谷の店にでも遊びに行けばよいのだし。(後は番組でご覧ください) |
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