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150kmほど北上し、道端のガソリンスタンドで給油と小休止を兼ねて止まった。そこに、家財道具一式を積み込んだようなくたびれ果てたホンダのXR600が止まっていて、隣のカフェから、着ぐるみを着てダルマのようになったカップルが出て来た。女の手から伸びた紐の先には、グレーと白の二毛の猫が繋がれて歩いている。
男はカルロス・バティスティナ、43歳。女はアレハンドラ・アルベアール、33歳で、猫の名はルーフル。二人と一匹の猫は一ヵ月の休暇をとってパタゴニアを旅行中という。で、しばらく一緒に走った。猫のルーフルは、サイドに取りつけた箱の中に収まっている。変な猫だし、変なカップルだ。
30kmほど一緒に走り、それ以上彼らのペースに合わせていられなくなってスロットルを開けた。バックミラーの中で、風に煽られてフラつきながら走る夜逃げ屋バイクが小さくなっていった。マイスタイル、マイペース、マイライフ・・・。切るように冷たい風が、彼らと一緒に走っている時だけ温かかった。
その後、パタゴニア特有の枯れた原野が終わり、ポプラ並木や緑の草原が現れ始めた。アルゼンチン中部の草原地帯が始まったのだ。
太陽も差し始め、気持ちが一気に軽く、そして明るくなる。
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