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朝から気の重くなる空模様。 久し振りにオフィスや家に電話。皆元気そうでホッとする。 7月に出版される本のゲラをチェックしたり、日記を整理したり、メールを送ったりして、久し振りにもの書きらしい1日。
夜、雨が降り続く。山の方は間違いなく雪だろう。冷たい雨の音は気持ちを砕く。人っ子一人いないカラファテの町にひと冬閉じ込められる夢を見た。
午前10時になって、やっと明るくなる。窓のカーテンを開けると、町を囲む山がまっ白になっている。遂に本格的に雪に包囲され始めた。道は完全に凍っていて歩くのも危ない。
午前10時積み込み。路面の凍結が溶けるのを待って11時出発。 結局、アルゼンチン側の最南端の町、リオ・ガジェーゴスの近くまで260kmを南下。そこを、この旅最南端地点と決めて折り返す。マゼラン海峡は目と鼻の先なのに、残念だ。トラック・ドライバーたちも、この先はもうやめろと口を揃えて言う。 途中、標高が1000mまで上がって、あたり一面雪と氷の世界になった。氷を砕いたトラックの轍の跡を踏んでゾロゾロと進む。 一面に粉砂糖をまぶしたような360°の原野。 透明で美しいパノラマだが、風は切るように冷たい。 人間を拒絶するパタゴニアの冬から逃げるように走り続ける。 どうにかアンデスを越えてチリからアルゼンチンに入り、今また、どうにか雪と氷から逃れて大西洋側に出ることができた。運が悪いんだかいいんだか分からない。ともかく、これから北上を始めれば、日一日と状況は良くなっていくはずだ。少なくとも、昨日よりは今日の方がマシだ──そう考えて、一日一日前に進むしかない。 悲観主義者には、こういう旅はできないだろう。 少しホッとし、ワインの酔いも手伝って爆睡。