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チリ共和国
5月17日(火) 曇り、のち雨  サンティアゴ→クリコ(200km)
12時にサンティアゴを出発。

サンティアゴの雑踏を出るとすぐに雨が降り出し、急に寒くなる。
道の両側にブドウ畑が広がり、ポプラを始めとする木々の黄色い葉が燃えるように美しい。雨と風がなければ、晩秋の美しい田園風景だ。
途中、五代続くスペインワインの名門、「ミゲル・トーレス」のワイナリーに立ち寄る。スペインからチリ、カリフォルニアにまで拠点を広げているワインづくりの名家だ。最近でこそ、日本でもチリやアルゼンチンのワインが飲まれるようになったが、ひと昔前までは馬鹿にされていたものだ。
サンティアゴの南には、マイポ・バレイなどのワイン地帯が広がる。「サンライズ」も「カシジェーロ・デ・ディアブロ」も「120(シエント・ベインテ)」も、みなここいら一帯でつくられ、日本に送られてくる。
 一本70US$の、2000年につくられた最高級のカベルネを1本買う。で、クリコの町で見つけた宿は1泊10$で部屋は冷蔵庫のよう。1泊10$の宿で70$のワインを飲むアンバランスこそ、贅沢の極みと言えよう。
5月18日(水) 曇り、時々、雨  クリコ→チジャン(200km)
嵐のような雨と風のせいで午前六時に起きてしまう。外は、まだまっ暗。雨が冷たい。
回復しそうにない天気のせいで予定を変更。無理せずに走り、天気の回復を待って、その後を一気に走ることにする。
近くのイタリア・レストランでステーキとピザの夕食。そしてもちろん、チリワインを二本。ヨーロッパで絶滅したというエメリネア種とかいうブドウで、これが旨いこと。
5月19日(木) 曇り、時々雨  チジャン→オソルノ(530km)
■オソルノ公園
午前八時に出発し、昨日の分も取り戻そうと一気に走る。
断続的な雨。東の方、アンデスの山並みは白い雲に隠れて全く見えない。
平べったい田園風景から起伏のある針葉樹林帯の中へ。まるで北極海へ向かう手前のカナダやアラスカの風景だ。極地の自然と生態系には共通するところが多い。

濁流となった川を何本も渡る。アンデスの雪解け水が一斉に西と東に向かって流れ込んでいるのだ。私たちは世界最大の分水嶺を東に越えねばならない。

午後四時、オソルノ着。四人で1泊50$のCABANA(ロッヂ)へ入る。町に出て情報収集。予定していた国境が昨日から閉鎖されたことを知る。ルートを変更し、アルゼンチンに入国できる場所を捜さねば。

部屋で、町で買ったワイン、エンパナーダ(肉のパイ)、チーズ、貝のくん製の夕食。

5月20日(金)曇り、時々晴れ オソルノ→コニャリペ(200km)
■サンティアゴ
午前中一杯かけて情報を集め、アルゼンチンへ入国する国境が一カ所だけ開いていることを確認する。その国境は標高が低いために、まだ雪に閉ざされていないらしいのだが、そこへ行くためにはフェリーに乗って湖を渡らねばならないとのこと。

夜、久し振りに魚(サーモン)料理を食べる。エメリネア種の「カシジェーロ・デル・ディアブロ」を一本。初々しい田舎の青年が、生真面目な顔でワインを注ぐ。

夜の九時過ぎから、再び雨。アンデスでは雪だろう。

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