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チリ共和国
5月11日(水) 晴れ  チャナラル→ラ・セレナ(530km)
 朝、うそ寒い海辺を散歩。潜り漁の男二人と話する。素潜りで40m潜って魚を突くそうだ。日本にも海はあるかと訊くから、日本は島国だから海だらけだと言うと、なら稼ぎに行くかと笑う。海に生きる男たちはいい。こいつら、この海で生きて、そして死んでゆくのだろうな。

昼食後、走り始めようとしたら前輪がパンク。宮崎、スタンドの隅を借りてタイヤ交換。
ラ・セレナの町が近づくと、荒涼たる砂と岩の世界から緑の世界に変わってゆく。巨大なアタカマ砂漠がやっと終わり、チリ中部の沃野が始まったのだ。空気も心なしか甘い。
夫がドイツ人だったお婆さんの宿、「ベルリン」1泊29$。

 夜は町を散策。ラ・セレナは、海辺のリゾートでもある立派な町。公園では男たちがテーブルチェスに興じ、レストランにはサッカー中継目当ての客が集まる。
丁度、南米クラブリーグ戦の、チリのクラブvsアルゼンチンのクラブの試合をやっていた。チリ人も無類のサッカー好きだが、他の国ほどバカ騒ぎはしない。チリ人は、サッカーの見方もどこか知的なのだ。
で、もちろん来年のワールドカップに出ることは誰もが信じている。サラス・サモラノ以降のチリはどれ位強いのだろう。

5月12日(木) 晴れ、のち曇り  ラ・セレナ→サンティアゴ(470km)
 午前九時出発。ラ・セレナからは、片側二車線の有料道路。道はよく整備されており、ガソリンスタンドもカフェも立派で清潔で、まるでアメリカのフリーウェイを行くよう。
 
最後にチリを走ったのは七、八年前だが、その時はこんな道はなかった。速くて安全で便利だが、沿道のもの売りや屋台に寄れなくなったのは少し淋しい。インフラが整備されると風情がなくなるのは世界共通か。

夜、シーフードのレストラン「OSTRAS AZOCAR」へ。ここも、サンティアゴに来ると必ず食べる店。小ぶりのカキ、ウニ、伊勢エビのおいしいこと。それに、今や世界に名だたるチリワイン。現地在住の知り合いの見立てで、「TARAPAKA」のグラン・レゼルバ。ずっしりとおいしくて、2000円ほど。これでも大贅沢。

5月14日(土) 曇り、のち雨  サンティアゴ
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■サンティアゴ
朝、歩くと息が白い。気分、落ち込む。

段々天気が悪くなってきた。アンデスの方は雪だろう。
大陸南端を目指すためには、アンデスを二度越えねばならない。チリとアルゼンチンを出たり入ったりしながら道は延びているのだ。果たして、この先、大丈夫だろうか。人間ネガティブになると悪いことばかり考えるようになる。

終日、部屋で原稿書き。
5月16日(月) 晴れ  サンティアゴ
■サンティアゴ
うすら寒い朝のカフェで一人、キャラメル入りカフェラテとハムサンドイッチの朝食。サンティアゴにはシンプルでお洒落なカフェが一杯ある。それに本屋も多い。中には、本屋とカフェが一緒になった店もある。そんな所で本を読んでいると、パリあたりの裏町にいるような気分になる。ラテンアメリカで、こんな空気の町はない。

しかし、南の果ての天候と道の状況が気になる。果たしてどういうことになっているのやら。 ま、行けるとこまで行くしかない。
バスタブの湯に首までつかり、体の芯まで温める。 明日からは、どんどん冷えてくるだろう。
P H O T O  B Y Y . M I Y A ZA K I 
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