|
午前6時。まだ夜が明けないが目が覚めて町をぶらつく。
寒い。よく見れば道に氷が張っている。3ヵ月前の、パタゴニア以来の零下の世界だ。暗い中、首都のラ・パスへ向かうバスに乗る人々。大きな袋を担ぎ、どこへともなく歩いてゆくインディオのおばさん・・・。
午前8時。陽が昇るのを待って出発。パタゴニア以来の厳寒用ウエアーで身を固めるが、それでも走っていると冷気が染み込んできて寒い。川は凍っている。枯れた原野で草を食む、リャマやアルパカの群。その背後にそそり立つ、「サハマ」等の雪を被った峰々!!まるで絵葉書だ。富士山頂とほぼ同じ標高の台地、アルティプラノを時速100kmで飛ばす。
午前12時。ペルー出国に30分。道はさらに上り、標高4500mのチリ側国境へ。頭が重く、関節が痛い。入国手続きをすませ、一刻も早く太平洋へ下りたい。
午後1時、チリ入国。太平洋を望む港町、アリカまで190km。
始めは巨大な岩石台地の間を下り、気がつけば巨大な砂丘群を縫って道は逆落としに下ってゆく。再びアタカマ砂漠に戻ってきたのだ。およそ100kmで、標高は4500mから海抜0mへ。目の前に荒れる太平洋を望むホテル、2人1部屋55$。
シーズンオフのうら淋しいホテルだが、レストランはしっかりしている。
ホテルの女主人やウェイターたち、チリ人特有の、大人っぽいホスピタリティで迎えてくれる。
魚のセビーチェと海産物スープがおいしい。それに、本当に久し振りなチリワイン。
空気が濃いことの、なんと体に楽なことか。ワインも旨いし、タバコも旨い。空気や水によって生かされていることを、こういう時に改めて実感する。それにしても、アンデスは苛酷な土地だ。
当たっては砕ける太平洋の波音を聞きながら、ぐっすり眠る。
|