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    から、新しく更新した日記ページです。
7月12日(火)  ジョージタウン手前→58Mile地点
午前6時半に起きて海辺を散歩。茶色に濁った大西洋が波立っている。ちっとも美
しくない。小さな帆かけ船で海に出るのはインド人の漁師。ガンジス河の岸辺を歩いているような気分だ。時々、太った白人と黒人がジョギングして擦れ違ってゆく。変な所だ。

9時に出発してジョージタウンへ。古い木造建築を撮影していると、黒人の巨漢が
何やら言ってきた。車を駐めた場所が違法で、警察に来いと言う。罰金は50US$
だが、自分が何とかしてやってもいいというようなことを言う。身分証明書を見せろとホセが言うと、一応、警察手帳らしきものを見せた。ゴロつきなことは一見して分かるが、知り合いの一人もおらず、この国の実状を何も知らない私たちにはヘタに抵抗することもできない。仕方なく、ホセが30US$を手渡すと、「気をつけてな」とか何とか言ってヘラヘラ笑いながら歩いていった。多分、本当に警官なのだろう。こういうのがゴロゴロいるとは、噂通りの町だ。「シット!」と毒づくホセ。こんな町、さっさとおさらばしようぜと、私たちはジョージタウンを後に一路西へ。

ジョージタウンからリンデンまでの100kmは快適な舗装路だったが、その先から
赤土のダートに変わった。
深い緑のジャングルを分けて、所々水の溜まった土の道がうねうねと延びてゆく。
人気がなくなり、数十キロに一カ所ほどの割り合いでインディオやインド人の淋しい集落が現れる。

午後5時。暗くなる前にキャンプ地を捜そうと、道端の食堂に立ち寄る。目の前が
広い土のグランドになっていて、そこに勝手にキャンプしろとインド人の親父が言
う。よく見ればクリケット場か何からしく、小さな階段式の観覧席もある。今夜はここでキャンプと決めてテントを張り、食堂で鳥の唐揚げとココナツライスの夕食。飯はまずいが、冷えたビールが飲めたのが何より嬉しい。

テントへ戻り、ガスランタンの灯を頼りに皆で酒を飲む。
あたりは真っ暗闇。時々、遠くの空が稲光りで白く光る。明日、雨が降らねばいい
のだが。大雨が降ったら大事になりそうな予感がする。
もの凄い湿気だ。虫の音以外に音はなく、向かいの食堂の灯が灯台の灯のように暗
闇の中で光っている。
まるで、夜の海の只中へ放り出されたようだ。

7月13日(水) 晴れ、時々、スコール 58Mile地点→レセム(350km)
午前6時半起床。まだ仄暗く、その上、深い霧で世界は白濁している。
今日の内になんとか国境まで辿り着こうとテントを畳み、食堂で目玉焼きとソー
セージの朝食を食べて出発。

30分走ると小さな集落があって、そこの警官にパスポートやらをチェックされる。と、もう一人の目つきの悪い警官が入口の柱に貼ってある紙切れを指差した。ホ
セが読むと、ナント!今日の午前6時からこの先で橋の工事が始まり、通行止めにな
るという。
時計を見ると、すでに午前7時半。一目散に突っ走ると、30kmほど先で確かに工
事が始まりかけていた。ホセが掛け合って太い丸太をブルドーザーで脇によけてもらい、何とかギリギリで通してもらう。あと一時間も遅かったら駄目だったろう。そしたら、この湿気だらけのジャングルの中で何日も足止めを食らうことになっていた。
「ナイトメアー(悪夢だ)」とホセ。まったく、何が起こるか分からない所だ。

次には、またまた川が現れた。これもまた、フェリーで渡らねばならない。
川を渡るとあたりは自然保護区に変わった。ジャングルはより鬱蒼と深くなり、そ
して雨が降り始めた。
打つようなスコールに打たれながら走り、アナイという名の集落に着いたのが午後
二時。ここまでくれば、後は楽勝と、思った頃から本当の困難が始まるのはいつものこと。
ジャングルが終わってサバンナになったのはいいが、山の方で雨が降り続いたらし
く、所によっては山からの水が流れて道を寸断し、所によっては道そのものが水没して一面が湖のようになっている。
今までの道で最もきつい走りが続く。バイクは何とか水を蹴立てて進んでゆくが、
重いトレーラーボックスを引くサポートカーは時速20kmくらいしか出せない。それにしても、腹の底を散々擦ったり打たれたりしているのに、よく走ってくれる。車が、いつか本当にストライキを起こさねばいいのだが。

延々とぬかるみ、水の中を走り、国境の集落、レセムに着いたのが午後7時過ぎ。
アナイからの110kmに5時間以上かかったことになる。
インド人の宿、「サバンナ・イン」25$。モーテル風の清潔な宿。ラジオもテレ
ビもなく、発電機が動くのは午前五時まで。ライス、鳥の煮もの、焼ソバ、豆、サラダ等、ブラジル料理と中華料理ごちゃ混ぜの夕食を食べ、おしゃべりなインド人夫婦の話を聞いている内に目蓋が重くなってくる。

今日は長い1日だった。よく、ここまで辿り着けたと思う。通ってきた3つの国の
ことは、日本に帰ってからゆっくり調べたり、思い返したりしよう。

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