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6月17日(金) 曇り、時々、雨     ロンドリーナ→バジ・バシット(470km)

朝からまっ青な空が広がる。やっと雨雲から緑が切れた。
午前9時出発。熱い。もの凄い湿気で汗がしたたり落ちてくる。パタゴニアでは寒さと冷たさに硬直したが、これからは熱さと湿気に体力を絞り取られるだろう。
体調と相談しながらの旅が、今まで以上に必要だ。

赤土に緑の原が延々と続く。点々と散らばる白い点はインドコブ牛たち。大きな牛がウサギほどにしか見えないほど牧場は広い。
サトウキビやトウモロコシの畑に混じってバナナのプランテーションが現れ始めた。道は、どんどん熱帯に向かってゆく。

今日走り抜けているサンパウロ州の郊外には日系移民が多い。日没前に立ち寄ったガソリンスタンドの社長も日系二世だった。彼によれば、今夜、近くの町でロデオ大会があるとのこと。見に行こうということになり、小さな町の小さな宿に滑り込む。
年に一度、4日間にわたって開かれるBOLSAMという町のロデオ大会。ロデオ会場のまわりには夜店が並び、どこに隠れていたんだと思うほど可愛い娘が群をなしている。

宿に帰ると、無口な親父がカイピリーニャ(サトウキビからつくったブラジルの地酒、ピンガにレモンと氷と砂糖を加えた最もポピュラーな酒)をつくってくれた。しかも、チェイサーに冷たいビールまでサービスしてくれる。いいな、こういう宿。

6月18日(土) 晴れ、のち雨 バジ・バシット→ゴイアニア手前(530km)

午前8時出発。今日から、ブラジル内陸部で最も荒れている土地、ゴイアス州に入る。14年前にも走ったが、ここいらの道はひどい。その後も、少しも改善されていないらしい。
晴れていたのは朝方だけで、昼近くにゴイアス州に入ってから、また断続的スコールが始まる。そして、つぎはぎだらけ、穴だらけの悪路が始まった。
道は細く、曲がりくねりながらアップダウンを繰り返す。路面は落とし穴のような穴だらけで、擦れ違うトラックはシャワーのような水しぶきを浴びせてくる。

暗くなり、ヘトヘトになって道端の宿に転がり込む。1泊5$。ベッド以外に何もない、最悪の宿だ。
それでも無事にここまで辿り着けたことを良しとしよう。
正直、今日はキツかった。

宿にはもちろん食堂もないので、近くのガソリンスタンド脇の「シュラスケリア」へ。ここで、ある幸運が私たちを待っていた。

一人500円の夕食を終えて外に出ると、短パンに上半身裸の小肥り親父が声をかけてきた。
「さっき、俺のことを抜いていったろ」
11台の車を乗せた巨大トレーラートラックの運ちゃんだった。23年間トラックを転がしてきて、ブラジルの隅から隅まで知っているという。ついでに、結婚は5回目だと笑う。
で、彼が抜け道を教えてくれた。
「地図通りのメインルートを行ったら、車のネジが全部なくなるぞ。ついでに頭のネジもな」
トラックドライバーの忠告に従い、明日からは抜け道を選んで走ることに決める。こういう出会いが、次の幸運を呼んでくれることを信じて・・・。
雨の日の次には晴れの日が来るものだ。

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