小森威典からのメッセージ ~5ッ星源泉ってなに?~

天然温泉の条件
最近、消費者の温泉を見る目が厳しくなってきました。旅行者が宿に予約の電話をするとき、「おたくの温泉はかけ流しですか?」と尋ねられると、ある宿の主人は言います。以前は、このような問い合わせはなかったので、いまさらながらに消費者の温泉への関心の高さに驚いているとのことでした。
昔は、「かけ流し」という言葉は温泉用語にはなかったはずです。いま、かけ流しは即「本物」を意味するのに使われえています。しかし、この言葉は間違いです。かけ流しの前に必ず「源泉」がつかなければならないのです。循環・加水・加熱でも、かけ流しは行われているからです。源泉と温泉の違いは、地下から湧出てくる温泉に手を加えているか否かにあります。いっさい手を加えない生のままの温泉が源泉です。本来、温泉は生のままの源泉が直接湯船に入っていたのですが、いまや循環・加水・過熱が当たり前になっています。源泉は、大きく4つの種類に分別することができます。
1つは自然に地上に湧出る「自噴水」
2つ目はボーリングの動力で組み上げる、「動力泉」
3つ目は「温泉供給会社から買う源泉」
4つ目が「旅館組合で共同管理し、各宿に分配される源泉」
ということで、時には源泉湧出口から湯船まで3キロ以上離れていることもあります。自分の敷地内に所有する自噴泉で、湯量も豊富で温度も50度前後の源泉は非常に少ないのが現状です。
源泉湧出口から浴槽まで、近ければ近いほど源泉の持つ泉質の成分が保たれています。源泉の泉質によっては、非常に繊細なものもあり、空気に触れると老化(酸化)してしまうものもあります。しかし、源泉の持つ効能は本来計り知れない素晴らしいものです。だから、私は、源泉の使い方をうるさく言うのです。(「源泉かけ流し、たった1%の真実」著者:小森威典より引用)
五つ星源泉って何?
温泉には、自噴泉とボーリングして動力によって(ポンプ)汲み上げている源泉に大きく分けられる。「五つ星源泉」の証明に欠かせないのは、源泉湧出口から出てくる源泉の検証から始まる。
①温度=湯船の中の源泉は、39℃~43℃が適温とされている。従って、源泉が60℃以上の場合は加水して適温にするケースがほとんどである。ところが、源泉は水と(加水)空気に触れると急激に化学反応しエージング
(老化)し、そのため折角の温泉の効能が著しく低下する。
②湯量=客一人に毎分1リットル必要とされている。たとえば50人の収容施設の場合、50リットル必要になる。ほとんどの温泉地は、源泉供給会社から家庭の水道水のようにリッター売りで買っている。したがって、経費節減のため全国の70%の温泉旅館がお湯を循環している。
③泉質=分析表に書いてある。2008年には25年ぶりに温泉の効用の化学的な検証が行われる。泉質の再調査。
その検証を行った源泉を正確に湯船に注がれているかを検証するには、よほど温泉に精通した人でないと正確に出ないことがある。
そのため、検証に不明な点が出ると4人の学者先生に協力をお願いすることがある。
①平野富雄 理学博士 【北里環境科学センター】(温泉分析の権威)
②大河内正一 工学博士 【法政大学工学部】(水質研究で温泉分析も得意分野である)
③琉子友男 医学博士 【大東文化大学】(-イオン研究の第一人者)
④安保徹 医学博士 【新潟大学大学院】(免疫学の世界的権威)
それほどまでしないと正確に本物温泉を検証できない。ちなみに、静岡県には2,300軒の温泉旅館がある。10年かけてデータ採集し、検証した結果「本物温泉」は9軒しか見つかっていない。そのデータを持って環境省に問い質したところ、これに近い数字と認めさせた。これらのデータをもとに平成14年に「源泉湯宿を守る会」を結成、日本を代表する旅館が集まった。これらの旅館からの情報は大きな役割を果たしている。
最近マスコミの「源泉かけ流し」「天然温泉」を正確に視聴者に伝えるには、このような仕事が必要になってくるのです。
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小森 威典
1936年神戸市生まれ。新劇の役者として30年以上活動。 1985年にテレビ制作会社を設立。NTV、NHKなどで多数制作。ギャラクシー奨励賞、通産大臣賞受賞。源泉探検隊結成。旅チャンネルでは「野口悦男のからだにいい源泉の旅」「からだにいい五つ星源泉の宿」「あった!これが本物の源泉宿」などの番組制作に携わる。 |
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