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旅のノートブック
カトchanの旅日記
ところで、さっきから北京ダックの話ばかりで、小麦料理はどうなったんだと文句が出そうだけど、これが大ありなんだな。 北京ダックを普通のロースト・ダックとは全く異なるたおやかで優雅な料理に高めているもの、それがダックを包んで食べる荷葉餅(カオヤーピン)という薄く焼いた小麦の皮だ。「全聚徳」では、このほかにも、空心焼餅という丸くて中が空洞になった焼マントーを出してくれるんだけど、これで北京ダックを食べると、さらにまたうまい。要するに、この荷葉餅や空心焼餅と一緒に食べるから、小麦が持つほのかな甘さによって、肉、ネギ、味噌のそれぞれの個性がやさしく包みこまれ、一つの美味しさとしてまとめ上げられる。そうなって始めて北京ダックが北京ダックとして他に並ぶもののない料理として完成するというわけで、肉だけを食べていたのでは、このまったりとした境地には、到底ひたることができないのである。 こうしてみると、主食というのは、ご飯にしても、パンにしても、日々あまりにも見慣れすぎているので、どうもその存在感やありがたみが忘れられているようなんだけど、じつは自分自身が個性を主張しないことで、他の料理の個性や持ち味を一つの美味しさにまとめあげてくれている。いわば味覚の調停役、根回し役でもあるんだね。アレ、そういえば人間にもこういうタイプの人がいたっけ・・・・。 ま、そんなわけで、小麦料理と主食の役割を再認識したところで、次回のTRIP3は、もう一つの主食であるお米がテーマ。大陸の南の雲南ではどんなふうに米が食べられているのか。それでは、次回までの、お楽しみ・・・。