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前回の久留米に続いて、今回は熊本県天草へ足を伸ばした。天草と言っても、大きい島なので中心都市である本渡市だ。実は、天草市という市があるとばかり思っていて、本渡市という名は知らなかった(2006年3月には天草市が登場するらしいが)。 |
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| お腹がいっぱいになり、少々運動しようと歩いて切支丹館へ向かった。道すがらには、祇園神社と祗園橋がある。祗園橋は国の重要文化財で、確かに江戸時代からまったく変わらない石橋は、鑑賞に値する。この橋を見るためだけに天草を訪れる人がいるとどこかのホームページで読んだが、確かにその通りだ。 切支丹館へ向う坂道は、なだらかで、食後の運動にちょうど良い。切支丹館の前から見える本渡市の眺めはなかなかだ。ここでオープニングを撮ることにした。さらに、足を進めると明徳寺という寺があり、そこに異人地蔵があるというので、行ってみた。寺もすごいが、異人地蔵が面白い。後ろから近づいたのだが、後姿は普通のお地蔵さんだ。しかし、前へ回ったとたん吹き出した。顔が外国人なのだ。それも、鼻が高い白人系の顔だ。どうしてこんなお地蔵さんが作られたのか、よく分からないが、キリシタン文化と関係がありそうだ。たぶん日本で唯一の(世界で唯一かもしれない)お地蔵さんを見たい方はぜひどうぞ。 |
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| 夕方になり、昼間訪ねた「入福」の前に立ったが、まだ開店前だ。6時の開店のようなので、まだ小一時間ある。仕方が無いので、町を一回りして来ようかと歩き出すと、すぐ近くに「蔵」という店を発見。早速入ってみた。カウンターとテーブル席がいくつかの店にはまだ客はいない。カウンターの端に腰を下ろすと、すぐ脇には大きな水槽があり魚が泳いでいる。なかなか良さそうな店だ。ご主人はまだ若く、手伝っているのは奥さんだろうか?(後で聞いたらご兄弟でした) 生ビールとキビナゴでスタート。外はまだまだ寒いが、最初のビールはうまい。キビナゴに合せて酒にしようかとカウンターの奥に目をやると、焼酎がたくさん並んでいる。どうも焼酎がメインらしい。その中の「天草」という地元の焼酎をお湯割にしてもらった。この焼酎はあまり癖の無い麦焼酎。もう少し特徴を出せば良いのにと思うのは私だけではないだろう。そうするうちに、テーブル席に客が入ってきた。この店が満員になったらスタッフが足りないのでは?といらぬ心配をしつつ、馬のスジ煮を頼んでみた。牛スジなら食べたことはあるが、馬のスジは初めてだ。食感は少々硬いが、味は濃いようだ。やはり焼酎には肉料理が合う。 |
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| 6時を回り「入福」の暖簾を再びくぐった。開店とほぼ同時に入ったが、もう先客が一人カウンターに座っていた。人気店の証拠だ。しかし、酒は飲んでいない。どうもおかしいなと思ったら、待ち合わせのようで、後でテーブル席に移りみんなで楽しそうに飲んでいた。昼間下見をしてあったので、すんなりとエビスの生を注文。そして、タイラギとスズキの刺身をお願いした。待つ間にお通しが二品。野菜とひき肉の煮物とコノシロの酢の物。気が利いている。そして、ご主人に日本酒をお願いすると、熊本は阿蘇の酒「蓬莱」を勧めてくれた。純米吟醸なので最初は冷(常温でなく冷たいもの)でいただいた。初めての酒だが、ふくらみが合ってとても美味しい。さらに切れもある。地元のタイラギの刺身にとてもよく合う。と、よい気持ちになっていると、店はどんどん人が入り、座敷や小上がりは満員。みんな何人か連れそってわいわいやっている。幸いなことに、一人客は私一人。ご主人と話が出来た。天草には昔八つの日本酒の蔵があったので今でも日本酒を飲む人が多いこと、ご主人は三代目で初代はミルクホールだったこと、などなど。 酒がなくなったので、次の酒はと考えていると、ご主人が「今の酒をお燗しても美味しいですよ」とうれしい声を掛けてくれた。冷を飲んだとき、「これを燗しても美味しそうだな」と思っていたのだが、純米吟醸なので、遠慮していたのだ。吟醸燗を頼むとあからさまに嫌がる店が多いので。燗をお願いすると、燗付け器が目の前に現れた。お湯が入ってその中に徳利を浸すというあれだ。これならじっくりと燗が付けられ、また自分の好みの温度で飲めるからとてもうれしい。少々時間はかかるが。その間にスズキの塩焼きをお願いし、燗が付くのを待った。予想では、ふくらみが増し、塩焼きによく合うと思ったのだが、まさにその通り。こんなに美味しい組み合わせはめったにない。酒、肴、人柄、まさに三拍子揃ったすばらしい店だ。この店に来るだけのために天草へ旅する気になる。(後は、番組でご覧ください。収録の後、スタッフ全員で杯を重ねたが、そのとき頼んだクチゾコの煮物がすばらしかった。煮物というより酒蒸しのように酒だけで煮たものとご主人はおっしゃっていたが。映像が無くて大変残念。近々行かれる方がおられましたらぜひ頼んでみてください。) |
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| すばらしい居酒屋にめぐり合ったので、後はバーだ。しかし、バーらしき店は見当たらない。途方にくれていると、ちょっとはなれたところに「トニオ」の看板を発見。しかもSince1960とある。これは入らないわけにはいかない。 ドアを開けると意外に広い空間が広がった。オーセンティックなバーではないが、一昔前のパブレストランのような感じだ。長いカウンターの真ん中に座り、「カクテルは出来ますか?」とマスターに聞いてみた。ちょっと失礼かとは思ったが、バーテンダー風の服装ではなく、ブルーのワイシャツと言うフランクな服装だったので、確認したかったのだ。すると、「はい、スタンダードなら」とうれしい答えだ。早速ジントニックをお願いした。大振りのタンブラーで出てきたジントニックは合格点。聞くと、熊本のバーでちゃんと修業をされたそうだ。失礼しました。 まだ客が少なかったので、マスターとしばし歓談。この店は、看板にあるように1960年に開店で、マスターは途中からバイトに入り、そのまま働くようになり、27年前に譲ってもらったことなど、そして、前のオーナーはトニオハウスという店を別のところでやっていることなどなど。二杯目のギムレットを頼むと、お客さんがどんどん入ってきた。団体のお客がテーブル席を占め、カウンターにも二人の客が何組か。これではあまり話も出来ないなと思い、名刺を渡し、番組の話をすると、「その番組見たことあります!」とうれしい答え。実は天草ケーブルテレビで当チャンネルが流れているのだ。それならと、お客さんで来ていた地元の代議士お二人に紹介していただいたのだった。(後は番組でご覧ください) |
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| もう二軒決まったのでホテルに帰ってもよかったが、道すがら「クロスビート」という店が目に付いたので入ってみた。若者たちが集まるバーという雰囲気で音楽はソウル。意外と年齢を重ねたマスターと若手のバーテンダーが迎えてくれた。暗い店内に、バックバーの酒瓶がほんのり浮かぶ怪しい雰囲気。ここは店の雰囲気に合せてコロナだ。ライムを搾ってキューっとラッパ飲みすると気分はカリブ。そうか、ここは天草という南の島なのだから、違和感が無いのは当たり前だ。夏の暑いときにもう一回来たいと思わせる店だ。マスターの精悍な顔はどこかボブマーリーを髣髴とさせるし。 島へ来たのは、壱岐、利尻、宮古、石垣に続き5回目。天草は橋が繋がっているので離島とは言えないかもしれないが。島の居酒屋やバーはどこもそれなりに特徴があって面白い。特に今回は、地元の食材と器と酒にこだわったすばらしい店にめぐり合った。これからはもっと島にも行ってみよう。日本は島国なのだから。最終回は、思い切って小笠原にでも行きますか。 |
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