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愛知県は名古屋以外お邪魔していない。と言う訳で愛知県第ニの都市である豊橋へ向った。太田さんが「東海道居酒屋膝栗毛」で訪れている街なので、本に登場する店を中心に回る事にしよう。
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| その前に、昼間散策する場所を下見に吉田城跡へ向った。途中「やまに食堂」で豚汁定食なる物をいただいたのだが、これが美味しい。不馴れな私は名物とあるので、豚汁定食だけを頼んだのだが、周りのお客さんを見ると、その豚汁定食に煮魚や焼き魚を付けて食べている。失敗した。その手があったかと後悔したがもう後の祭り。まあ、安くて美味しい物が食べられて、幸先の良いスタートだ。 |
| 吉田城跡は緑豊かな公園で、子供達が遊んでいた。横を流れる豊川はゆったりとした大河で、もうすぐ海なのだなと実感させてくれる。 |
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| 一度ホテルに戻ろうと駅近くまで戻って来たら、ありました。酒屋が営業している立ち飲み屋。その名も「立ち呑み あさひ」。まだ4時前だと言うのに開いているではないか。ここは一杯やって行かねばならないだろう。店の中はカウンターのみ。(立ち呑みだから当たり前だ)カウンターの中には品の良いお母さんと、その息子のような男性が客の注文に答えている。私もビールとチーズを頼み、ついでにたばこ吸って良いですかと聞くと、「ええ、良いですよ。灰皿ないから、床に捨てて下さい。」とのこと。へー、床捨ての店がまだあったんだ。これは貴重だ。私が知る限り、東京赤羽の「いこい」が確か床捨てだ。すぐにビールが届き、そして銀紙に包まれたチーズが出て来た。これは凄い!そう、スーパーマーケット等で売っているあれだ。しかもそのまま。出して来たお母さんも、「素っ気無いでしょう」と笑っている。何とも気取らない店だ。そこが良い。聞けば、もう50年以上の歴史があるらしい。とても良い店を見つけた。それも昼間から営業していると言う。何処にでもこんな店が有ると良いのになと思いつつホテルに一度帰った。 |
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| 夕方になり、豊橋の繁華街である松葉町へ向った。意外と大きな飲み屋街で、かなり奥まで沢山の店がひしめいている。その一番奥に目指す「千代娘」はあった。太田さんの記述にも有るが、一軒家のたたずまいが素晴らしい。ちょっとした料亭のようだ。そして、店内は古いが綺麗に磨き上げられ、まことに気持ちが良い。私が口開けの客で、カウンターの端に腰を下ろした。さっそく、店名でも有る千代娘と言う酒の燗をいただき、目の前に並べられた料理の中から八幡巻(ごぼうをウナギで巻いたもの)をお願いした。どちらも大変美味しく、店の雰囲気や女将さんの人柄と相まってとても和んでしまう。ここにお願いしようと思い、太田さんの話を持ち出すと、「あの本を御覧になって来られたお客さんは初めてですよ。」と大変感謝されてしまった。(後は番組を御覧下さい) |
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| 昼間昼食をとった「やまに食堂」、夕方前に一杯やった「立ち呑みあさひ」、そして、「千代娘」と素晴らしい店ばかりで、これでもう一軒決まれば完璧。今までのロケハンで一番スムーズかもしれない、などと思ったが後一軒が難しい。インターネットなどで調べておいた何軒かの店の前まで行ってみたが、ピンと来る物がなかった。仕方がない。最も良さそうな店なのだが中心部からはとても遠い「天に月、地に山」に行って見よう。タクシーに乗り10分以上。人通りもない、暗い住宅地のまん中にその店はあった。ちょっとしたビルの一階だが外観は気合いが入っている。新しいが、良い日本酒を呑ませるぞと言う雰囲気を感じる。店内はカウンターとテーブル席が幾つか。そんなに特徴はないが、照明を抑えたインテリアが心地良い。ここも私が口開けのようで、カウンターの端に腰を下ろした。そして、メニューを見て驚いた。余り数は多くはないが、名だたる名酒、それも何年か寝かせた古酒が揃っている。とは言っても、かなり日本酒に詳しくないと、このメニューを読み解くのは難しいだろう。かく言う私も半分以上は知らない酒で、一番豊橋から近いと言う理由で「儀侠」の古酒をお願いした。肴はどうしようかと、食べ物のメニューを見ると、これがまた飲み助の心をくすぐる物ばかりだ。馬のたてがみの刺身、カズノコのみそ漬、甘エビの塩辛などなど。エーイ、みんな頼んでやれ。これがいけなかった。あまりにも日本酒に合うので、一杯で引き上げるつもりが何杯も呑んでしまった。それも、こんなに良い酒ばかりなのに、ほとんど何を呑んだのか記憶にない。これではロケハンと言うより酔っ払いだ。(でも、取材交渉はちゃんとしました。ご主人は以前から当番組のファンで、お客さんが録画して持って来てくれるビデオテープで、ほとんどの番組を見ているそうです。ですので、取材交渉もすんなりOK。たぶん、そのファンのお客さんは取材当日来店されるだろうなと思ったら、案の定。私の予想を超えて、4〜5人のファンがカウンターを占拠していました。取材が終わった後、急遽サイン会と撮影会が行われたのでした。後は番組を御覧下さい)2時間ほど滞在しただろうか、ふらふらになって店を出た。帰りは市電も良いですよとのご主人の助言で、市電の駅まで歩いたが、見つからず、帰りもタクシーに乗ってしまったぐらいだから、相当酔っていたのだろう。 |
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| 二軒とも素晴らしい店で、取材も快くOKしていただき、ラッキーだった。しかし、スムーズに行き過ぎてまだ寝るには早い時間だ。先程の「天に月、地に山」のご主人に教わったバーへ行ってみよう。松葉町のアーケードの中、ビルの3階に「IROHA」はあった。店内はかなり広く、カウンターとテーブル席。しかもカウンターが途中の仕切りにより二つに別れている。どうして店のまん中に仕切りが有るのか分からないが、その仕切りの奥に座りジントニックをいただいた。マスターの姿は見えず、女性のバーテンダーさんが作ってくれたのだが、なかなかの味。服装もビシッと決まっており、オーセンティックバーとしての風格を漂わせている。素晴らしいバーだ。もう一杯。今度はギムレットだ。シェーカーの振りも板に付いている。まだかなり若い美人のバーテンダーと言う事も有りすっかり見とれてしまった。そして、出来上がったギムレットの素晴らしい。もう一軒ここにもお願いしようかと思ったが、前の二軒があまりにも良かったので、時間の制約も有り断念した。 |
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| 今までのロケハンでもっともスムーズに行った豊橋。こんな事も有るのだ。最近は取材をできるだけ二軒に絞っている。3軒だと一軒当たりの時間が短くなってその店の良さが十分に伝わらない可能性が有るからだ。ゆっくりじっくりと見てもらいたいと思っているのは私だけではないと思う。 |
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