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12月のロケとなるこの時期、地方に行くのは忙しないので、近場に決定。それも私の地元品川である。会社も品川なのだが、実は大学も品川なのだ。もう、28年も前から品川に通っている。そんな地元品川なのに、あまり飲み歩いていなかった。しかし、太田さんも最近品川を歩いているようだし、ロケハンはそう苦労しないであろう。
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| まずは一番頻繁に通っている「うえじま」だ。全国居酒屋紀行のボトルもキープしている。もっと早く取材しようと思っていたのだが、あまりに近いので遠慮していたところもあった。しかし、新幹線の駅ができたため、テレビの取材が多くなり、最近立て続けに放送されたようである。店の外観はほとんど昭和の初期のようだ。店内も古く、てんぷらがメインのため、そこらじゅうが油でつるつるしている。こんな店をテレビで取材するのは居酒屋紀行くらいであろうと思っていたが、あのNHKまでが取材にきたそうである。それからが大変で、テレビを見てくる人が列をなしたそうだ。私は夜、それも空いた時間を選んで行くので、実感は無いが、有名店の仲間入りをしてしまった。まあ、何年も前から通っているので、「小川さんなら取材してもいいよ」と、気風の良い女将さんが許可してくれた。ここの女将さんはまだ70歳なのだが、ひ孫もいる。娘さんと一緒に店を切り盛りしているが、その娘さんがもう孫がいるとはとても思えないような若さだ。さらに、かわいいお孫さんも店を手伝っている。家族全員で店を盛り上げている理想的な居酒屋だ。てんぷらも美味しいが、ここの名物は「たこねぎ」。タコのぶつ切りに刻みねぎをふりかけ、ごま油と醤油をからめたものだ。夏の暑い日など、これで生ビールをキューっとやれば言うことなしだ。また、JICの若手に人気なのが、「ハンペンチーズ」だ。大きなハンペンにとろけるチーズをかけて焼いたものだが、タバスコをかけシンプルなピザ感覚で食べられる。焼き魚から、頼めば刺身の盛り合わせまで何でも出してくれる。そして、なんと言っても凄いのは、朝から晩まで何時に行っても飲めることだ。土曜日など昼過ぎには仕事を終わらせて、3時からでも飲める。太陽の高いうちからのビールは最高だ。「うえじま」が取材をOKしてくれたので、後は楽になった。 |
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| 次は、太田さんが「東海道居酒屋膝栗毛」で書かれていた「牧野」だ。北品川商店街の南の端。大学時代から品川で生活している割に北品川商店街には縁が無かった。地元に密着した古くからの商店街で、品川駅港南口の再開発地域に建つ高層ビル群とは対照的だ。旧東海道の一番目の宿場町として、その昔はたいした賑わいであったのだろう。今も、昔の雰囲気を残す、数少ない場所だ。店の外に面して生簀があり、そこに穴子や、アジ、カレイなどが入れてある。そこから注文があるとすくって活き造りにするのだ。店内は、何度も改装しているらしく新しいくて清潔な雰囲気。二階は宴会場で、30人程が入れると言う。カウンターは奥に3席のみ。ちょっと一人でぶらっと寄るにはこのカウンターなのだが、ほとんどそこに座る一人客はいないようだ。白い作業着を着たご主人はいかにも昔ながらの板前さんと言う風体。奥の調理場は、今では息子さんが取り仕切っているらしい。ビールを一杯やりながら注文したアジの刺身を待った。酒の冷蔵庫が目の前にあるが、日本酒に関しては基本的な品揃えはできている。冷酒は四合瓶がメインなので、一人ではちょっと飲み切れないのが残念だ。帆掛け舟のように作った「アジの活き造り」が出来上がった。早速手を出すと、まだ死後硬直でコリコリの刺身だった。他にも、穴子の造りや白焼きなど、魚料理なら何でもござれだ。会社の近くと言うこともあり、何度かお邪魔して取材の許可をもらった。 |
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| 次のロケハンは、日を改めて出かけた。居酒屋ではないが、品川名物天丼の店「三浦屋」だ。天丼ということで昼間出かけてみた。並から特上まで幾つかのレベルがあるが、ここは上を貰おう。カラッと上がったてんぷらにちょっと甘めの汁がかかり、とても美味しい。店内はお世辞にも綺麗とはいえない店だが、こじんまりとして居心地はすこぶる良い。なんと言っても天丼の美味しいこと。今度来た時は特上にしよう。 |
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| 最後は、やはりバーだ。この古い町にバーなどあっただろうかと思ったが、やはりどこにでもバーはあるのもで、「HOJU」と言うちょっと新しいバーだ。ここも、太田さんの著書に登場する店。外観は喫茶店のようだが、店内はオーセンティックなバーである。初めて入ったときには若手のバーテンダーでちょっと不安だったが、店長さんのシェーカー捌きはたいしたもの。後で聞いたことだが、店長さんは日本バーテンダー協会(NBA)の大会に何回も出場経験があるそうだ。いつものようにギムレットを頂いたが、シャープで切れのある大変美味しいギムレットだった。この店には品川の名にちなんだ「品川心中」と言うカクテルがある。前にここで働いていた女性バーテンダーのオリジナルだそうだが、なんとも悲しい味だ。今の店長さんは、「あまり出したくないんですよね。私のオリジナルじゃないし。今は改良を加えたニュー品川心中がお勧めですよ。」と言う。そこで、一杯頂くことにした。ちょっと甘口だがグリーンの色が美しく、アルコール度数もちょっと強めに改良されている。スタンダードカクテルに近く、良い味に仕上がっていた。違うバーで聞いた話なのだが、このHOJUでは、フレアーという技を披露してくれるバーテンダーがいるそうだ。その技については、取材当日に見せていただくことにして、取材を御願いした。 |
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| 放送100回になろうかと言う当番組だが、今までで最も近いロケ場所であった。実際ロケに歩いていったのは初めてだ。地元の品川ではあるが、行きつけの「うえじま」以外はあまり飲み歩いたことは無かった。最近大きな変貌を遂げている品川だが、古い居酒屋はまだ残っている。そんな品川を再発見した今回のロケハンであった。 |
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