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盛岡は当番組では二回目。前回は「とらや」「さざえさん」「バロン」の3軒を回ったが、どの店もそれぞれとても渋い良い店だった。今回も太田さんのご推薦の店が多いので、安心して旅立った。 |
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| 昼少し前に盛岡へ着き、まず昼飯だ。大通りから少し入った「五合庵」に入った。店の作りは新しいが、すがすがしい蕎麦の香が立ちこめている。なかなか期待できる。実は私は、盛岡の名物であるじゃあじゃあ麺や冷麺が苦手なのである。普通の蕎麦かうどんが一番。(椀子そばもちょっと遠慮したい)そこで、ざる蕎麦を一枚たぐった。これがなかなかの味。暫くすると昼飯を取りにサラリーマンで、いっぱいになった。ほとんどの人がカレー蕎麦を食べている。「そうか。ここの名物はカレー蕎麦だな。」夜遅くまでやっているようなので、最後にカレー蕎麦でも食べようと思い店を出た。 |
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| 前回は中津川の沿いを散策したが、盛岡城跡にも行って見よう。紅葉にはまだ早いようだが、立派なかえでの木が多くロケのときには真っ赤になっているであろう。(しかし、ロケのときもまだ早かったので、紅葉は撮影できませんでした。) |
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ホテルで、休憩した後、さあ居酒屋巡りである。まず盛岡城跡の近くにある居酒屋街の中にある「つりがね」だ。すぐ近くにお寺もないのに吊り鐘堂がある。後で聞いた話だが、除夜のときだけ鳴らすのだそうだ。まだ5時前なのだが、開店している様なので覗いて見るとカウンターに座ったご主人が、「いらっしゃいませ」とこえをかけてくた。生ビールをいただき、ぐいっと一杯。まだ生ビールが美味しい季節だ。店内はカウンターと二階があるようだ。奥は厨房で、お母さん達がまだ仕込みをしている様子。お通しで、一杯やり小芋汁を頼んだ。まだ、日の高いうちに飲み出すのはいいものだ。外には吊り鐘堂が見える。誰か時の鐘でも突かないかな。ちょうど5時だ。などとのんきなことを考えていると小芋汁ができてきた。いわゆる芋煮である。素朴だが美味しい。ちょうどお腹もすいてきたので、これからのアルコールを考えると良かったかもしれない。まだ一軒目なので、早々に次の店に向かった。 |
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太田さんの一押しの店、「愛染横丁」は碗子蕎麦で有名な東家のすぐ近くにあった。横丁からさらに小さな路地を入ると突き当たり、蔵を改装した店がある。店内は明るく清潔で、一階のカウンターと二階のグループ席があるようだ。一人の私はカウンターの端に陣取り、また生ビールをいただく。店を変えると又生ビールが飲みたくなるのはどうしてだろう。今度は鯖の塩焼きをいただこう。煮物の次は焼き物だ。合わせて日本酒をいただこう。メニューを見ると、日本酒、焼酎の品揃えがすごい。それぞれ30種類以上はあるだろう。そのなかで、近くの酒「南部美人」をお願いした。鯖が焼けるのを待ちながらの南部美人は、清楚でしかし芯の強い盛岡美人のようだ。東北の酒はその土地の女性をイメージして作られているのではとふと思った。焼き上がった鯖は脂のたっぷりのった素晴しい物だった。勢いに乗って、当番組の記念すべき第一回放送で取材した「田倉」をいただいた。かたくちに一合ほど。焼酎としてはかなりの量だ。バックに流れるジャズ(テイクファイブ)と共にとても良い気分。ここであまり酔っ払ってしまってはまずいので、取材のお願いをして、次の店へ向かった。(後は番組でご覧ください) |
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| 居酒屋は一軒決まったので、次はバーだ。これも太田さんご推薦の「アルセーヌルパン」。大通りに戻り、前回取材した「バロン」の反対側の路地を入ると、古い建物の二階にひっそりとあった。店内は照明が落とされ、落ち着いた雰囲気だ。一本の大きなカウンターが店の端から端へ貫いている。その重厚なこと。これほどのカウンターはそう見かけない。マスターにお聞きすると、なんと20年前の開店当時から全くインテリアは変わっていないという。その当時としてはかなりモダンな作りだったに違いない。例のごとくギムレットを一杯。昔話を沢山聞かせていただいた。私が店を出るまで、一人のお客様も来なかったので、すんなり取材交渉も済み、ゆったりした時間を過ごさせていただいた。 |
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| これで、二軒決まったが、まだ時間も早いので、「いぶしや」へ行ってみよう。名前の通り、正にいぶし銀の外観。店内も木のインテリアで統一され、なかなか良い雰囲気だ。カウンターの端に陣取り燗酒と秋刀魚の刺身をお願いし、待つ間に店内を見回すと、かなり広い店内なのだが満員盛況である。それも団体客が多い。ひとり客はカウンターに座った私だけのようである。カウンターの中は女将さんと思しき方が料理をどんどん運んでくる。そして奥の厨房では、ご主人が料理を作っているようだ。もう二人ぐらい店員さんがいるのだが、なんとも忙しい。女将さんとちょっとした会話もままならない。秋刀魚の刺身は大変美味しかったのだが、店内の喧噪に追い出されるように店を出た。 |
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| 最後にゆっくり一杯やりたいと思い、バー「ニッカ亭」に入った。薄暗い店内はカウンターにテーブル席、中二階もある、なかなか広い店だ。そして、この店も大変に繁昌している。と言っても先程の店のように騒がしい分けではないが。カウンターに一席作っていただきジンリッキーを頼んだ。スッキリして美味しい。バーテンダーさんは若いがなかなかの腕前のようだ。続けてギムレットを頂いたが、これも切れのある素晴らしい味だ。一番混む時間なのだろう、カウンターを埋めた常連たちとバーテンダーはみんな楽しそうに話している。旅の途中の中年が一人では会話に入るのは難しそうだ。良い店なのだがちょっとゆっくり飲める雰囲気ではないので、草々に店を後にした。 |
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| これが最後と思って「バロン」のドアを開けた。2年ぶりだ。人懐っこいマスターの顔が優しく迎えてくれる。覚えていてくれたようだ。カウンターだけ店は先客が3人。全員一人客。私もジントニックを頼み、ゆっくりとグラスを傾けた。マスターは時々かん高い声でおやじギャグを繰り出し、お客を和ませる。やはり落ち着く。こんな店が地方都市には一つや二つあるものだ。盛岡ではここと「とらや」かな?などと思いながら2盃目のギムレットを頂いた。そろそろ酔って来たのか、店の明かりが暗くなったような気がして来た。取材先も2軒決まったので安心したのだろう。眠くなって来た。後の記憶は無く、気が付くとホテルのベッドで寝ていた。こんな夜もたまには良いかな? |
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