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前回の松江に引き続き山陰シリーズと言うことで、鳥取県倉吉へ向かった。鳥取県は鳥取市、米子市に続いて3回目だ。駅前のホテルに荷物を預け、すぐ近くの観光案内所でレンタル自転車を借りた。倉吉市は駅前の上井地区と少し離れた旧市街に分かれているのだ。タクシーで行っても良いが天気も良いのでサイクリングとしゃれ込んだ。 |
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「五円」の店内はどこかのチェーン店のような作りだが、6名ぐらい座れるカウンターもある正統派の居酒屋だった。まだ客のいないカウンターに腰を下ろしまずは生ビールをいただいた。肴は枝豆だ。夏の終わりの生ビールは格別で、茶豆などのブランド品ではないが枝豆と大変良く合う。ここでじっくりとメニューを見ると、いかにも大衆居酒屋というような品々が並んでいた。 |
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しばらく大通りを歩くと「とってん」という、古そうな寿司屋を発見。看板には寿司と酒と大きく書いてある。居酒屋ではないが、地酒が呑めそうなので、引き戸を開けてみた。すると、小さいながらも落ち着いたカウンターと小上がりの上品な店内が現われた。五十代後半のご主人と奥様の二人で切り盛りしているらしく、奥様がすぐに「お飲み物は何になさいますか?」と声を掛けてくれた。張られたメニューに利き酒セットと言うものがあり、それをお願いした。お通しは白いかの茹でた物で大変美味しい。つまみにアジのたたきだ。利き酒セットは鳥取の地酒「鷹勇」と、もう二つも地酒で、どれも大変美味しい。(銘柄は失念したが) |
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| もう寿司も食べてしまったので、今度はバーだ。インターネットで探しておいた「ライムストーン」へ向かった。駅前の雑居ビルの一階。なんの変哲も無いドアを開けるとそこには素晴らしいオーディオルームがあった。10名ほど座れるカウンターにテーブル席が幾つか。その後ろに、JBLの大きなスピーカーが二つ鎮座している。カウンターの後にはプレイヤーと大きなアンプ類が並んで、いかにもジャズバーという雰囲気だ。ジャズ好きには堪えられない。 ジントニックをいただき話を聞くと、ジャズと酒好きが高じて、脱サラでこの店を開いたそうだ。なんとも羨ましい。独断で番組のBGMはジャズと決めた私の趣味に、ぴったりの店だ。それも、都会ではなく故郷の土地に店を出すとは、一瞬で気に入ってしまった。やはりジャズにはバーボンだろうと言うことで、イエローストーンとジンビームのライを追加して、マスターと楽しくジャズ談義をさせていただいた。最後に、取材のお願いと古いバーを紹介していただき、うきうきと店を出た。(後は番組でご覧ください) |
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昼間、旧市街では見当たらなかったのだが、ライムストーンで教えていただいた「ドンキー」へタクシーで向かった。すると、案の定私が歩きまわったところとはちょっと違うところに「ドンキー」はあった。 |
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これで、居酒屋(寿司屋)一軒、バー二軒が決まったと思っていたのだが、前述したように「とってん」の取材ができなくなり、改めて別の日に倉吉へ伺うこととなった。「ドンキー」のマスターに古い店を紹介していただき、早速その「一ふじ」へ向かった。 |
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| 「とってん」には取材を断られたが、もう一度ご挨拶に行かなければと思っていた。店に入ると私の顔を覚えていてくださり、奥さんが「申し訳ありませんでしたね。」とすまなそうにおっしゃるので、「いえいえ、こちらこそ無理言って申し訳ありません。美味しい店にめぐり合っただけでも良かったと思っていますので。」と答え、先客の間に座った。燗酒をもらい、今日は鰯の酢締めだ。これがまた大変美味しい。ご主人は仕事に集中して何も言わないが、最後にイカゲソの湯通しをサービスしてくれた。このなんとも言えない暖かさが、この店の魅力だろう。地方の静かな町に、ひっそりと有る名店。これが地方の魅力だ。旅に出て見なければ味わえない、味と酒。倉吉に来て良かった。本当にそう思える旅であった。 |
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